トリプトファン。
必須アミノ酸の一つで、体内でセロトニンやメラトニンに変換される、不眠症・時差ボケ・うつ病などに効果があるとされています。
ちなみに必須アミノ酸は人間の体内で十分に生成されないため、外部から摂取する必要があるアミノ酸のことです。
今回はそんなトリプトファンの最新の効果について紹介していきます。
トリプトファンの効果
2021年のメタ分析によると、トリプトファンのサプリメントを1g以上摂取すると夜中に目が覚めることが減り、睡眠の質を上げる(d=1.08、p=0.017)。2
2014年のメタ分析によると、鬱患者は血中トリプトファン濃度が著しく低い(d=-0.84、p=0.00015)1。
また、2013年のメタ分析によると、トリプトファンが欠乏すると攻撃的になり(d=0.183、p<0.01)、3 2021年の系統的レビューによると0.14−3gのトリプトファンを摂取すると健康的な人の気分を向上させる効果があると報告している。4
結論:欠乏しないように肉を食べよう
トリプトファンは欠乏するとメンタルが不安定になり、トリプトファンをしっかり摂取すると睡眠の質もメンタルも向上します。
ですので、食べ物やサプリで十分な量を摂取することがとても重要です。
肉、魚、ナッツ、乳製品、ごま、バナナなどのトリプトファンを多く含む食べ物を取りましょう。
「落ち込んだら肉を食べろ」というアドバイスは科学的にも正しいのかもしれませんね。
ベジタリアン・肉をあまり食べない人は欠乏しがちなので、十分注意してサプリなどを使ってください。
- Sutanto, Clarinda N et al. “The impact of tryptophan supplementation on sleep quality: a systematic review, meta-analysis, and meta-regression.” Nutrition reviews, nuab027. 3 May. 2021, https://doi.org/10.1093/nutrit/nuab027↩
- Ogawa, Shintaro et al. “Plasma L-tryptophan concentration in major depressive disorder: new data and meta-analysis.” The Journal of clinical psychiatry vol. 75,9 (2014): e906-15. https://doi.org/10.4088/JCP.13r08908↩
- Duke, Aaron A et al. “Revisiting the serotonin-aggression relation in humans: a meta-analysis.” Psychological bulletin vol. 139,5 (2013): 1148-72. https://doi.org/10.1037/a0031544↩
- Kikuchi, Asako M et al. “A systematic review of the effect of L-tryptophan supplementation on mood and emotional functioning.” Journal of dietary supplements vol. 18,3 (2021): 316-333. https://doi.org/10.1080/19390211.2020.1746725↩