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仕事満足度の上げ方【健康・幸福・成果】

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あなたは自分の仕事に満足していますか?

仕事は僕たちの人生の多くの時間を占めるものの一つです。

それに満足していないということは、人生の大部分に満足していないということになるかもしれません。

今回は仕事満足度は健康・幸福・成果などにどう影響するのか、そしてどうやって仕事満足度を上げるのかについて解説していきます。

仕事満足度・健康・幸福・成果の関係

2016年のメタ分析では、職場資源と幸福度・パフォーマンスに関する84の研究をまとめた結果、

  • 職場資源は幸福度と相関があった(d=0.61)
  • 職場資源はパフォーマンスと相関があった(d=0.43)
  • 個人レベル(自己効力感・能力・自尊心など)、グループレベル(人間関係)、リーダーレベル(リーダーシップ)、組織レベル(自主性・スキル多様性・給与体系・評価方法)に差はなかったので、どれから実施してもよし
  • 主観的パフォーマンスの方が客観的パフォーマンスよりも影響が大きかった

という結論を出した。1

2011年のメタ分析では、仕事満足度と幸福度に関する11の研究をまとめた結果、

  • 仕事満足度、人生満足度、幸福度、ポジティブ感情の多さ、ネガティブ感情の少なさには相関があった
  • 幸福度→仕事満足度の影響の方が仕事満足度→幸福度の影響よりも大きい

という結論が出た。2

2011年のレビュー論文では、社員幸福度と企業のパフォーマンスに関する36の研究をまとめた結果、

  • 幸福度・人間関係の向上と企業のパフォーマンスの向上には相関がある
  • 健康の向上と企業のパフォーマンスの向上には逆相関がある
  • 将来的により多くの研究と理論の構築が必要

という結論が出た。3

2008年のメタ分析では、リーダーシップ、幸福度、健康に関する109の研究から27の高品質の研究をまとめた結果、

  • リーダーシップと幸福度が高く、病欠が少なさ、障害のリスクは相関がある
  • リーダーシップと仕事満足度、パフォーマンスの相関についてはエビデンスが弱い

という結論が出た。4

2006年のレビュー論文では、職場環境、社員幸福度、組織の改善に関する15年間の研究を集めて企業が実施できる方策を5つの軸にまとめた結果、

  • ワークライフバランス
    • コミットメント・満足度・やる気の向上
    • 生産性の向上・欠勤・離職率の減少
  • 社員の成長
    • 満足度・モチベーションを増やし、ストレスを減らす
    • 効率・競争力・質の向上
  • 健康・安全
    • ストレス・健康リスクの減少、コミットメントの向上
    • 医療費の削減、欠勤の減少、事故・怪我の減少
  • 評価・感謝(例:給与・賞与)
    • 満足度・モチベーションの向上、ストレスの減少
    • 採用力の向上、生産性の向上、離職率の減少
  • 社員の関与
    • 満足度・コミットメント・モラルの向上
    • 生産性の向上、離職率・欠勤の減少

という結論が出た。5

2002年のメタ分析では、仕事満足度と健康に関する485の研究をまとめた結果、

  • 仕事満足度は健康に影響あり(d=0.66)
  • 仕事満足度はメンタルへ強い影響
    • 燃え尽き(d=1.09)
    • 自尊心(d=0.95)
    • うつ(d=0.95)
    • 不安(d=0.93)
  • 客観的・物理的な病気(d=0.60)

という結論が出た。6

解説

現時点での仕事満足度に関する研究によると、

仕事満足度が高いと、人生満足度と幸福度が向上し、ポジティブ感情が増えてネガティブ感情が減り、パフォーマンスも上がります

逆に仕事満足度が低いと、自尊心が低下し、不安感が増し、燃え尽きやすくなり、鬱や病気にもなりやすくなります。(効果:大〜特大)

そして、できる対策には大きく分けて2つのレベルがあります。

1つ目は個人レベル。

具体的には、自己効力感・スキル・自尊心などを向上させることで満足度は向上します

他にも、仕事の内と外で人間関係を改善をすることで満足度は向上します

面白いことに、プライベートの関係を充実させることでも仕事満足度は向上するようです。

2つ目は組織レベル。

具体的には、ワークライフバランス、成長できる環境、健康・安全な環境、正当な評価(給与・賞など)、社員の積極的な関与(イベントなど)で、満足度は向上します

結論:自分から動こう

まとめると、仕事満足度が高いと全体的に幸せになって成果も増える。逆に低いとメンタルと健康がボロボロになります

で、対策は2通り。

1つ目は、自分を成長させること。スキルを磨き、自己効力感と自尊心を上げる。また、職場の中と外の人間関係を向上させる。活躍できている実感があれば、満足度は上がります

2つ目は、仕事・組織自体にアプローチをかけること。仕事環境を整えましょう。積極的に自分から動いてルール、仕事内容などを変えましょう。難易度が高いと思うかもしれませんが、何らかのアクションを起こせば変化は起きます。もしくは、仕事を変えるのもあり

楽なのは1番です。自分の努力だけで完結するので確実です。

当サイトでも頭を良くしたり、仕事のパフォーマンスを上げる方法を紹介しています。

比較的カンタンな方法もたくさんあるので、まずはそちらから試してみてください。

データ比較

最も効果的な勉強法ベスト5


  1. Nielsen, K., Nielsen, M. B., Ogbonnaya, C., Känsälä, M., Saari, E., & Isaksson, K. (2017). Workplace resources to improve both employee well-being and performance: A systematic review and meta-analysis. Work & Stress, 31(2), 101–120. https://doi.org/10.1080/02678373.2017.1304463
  2. Bowling, Nathan A. et al. “A meta‐analytic examination of the relationship between job satisfaction and subjective well‐being.” Journal of Occupational and Organizational Psychology 83 (2010): 915-934. https://doi.org/10.1348/096317909X478557
  3. Van De Voorde, K., Paauwe, J., & Van Veldhoven, M. (2012). Employee well‐being and the HRM–organizational performance relationship: A review of quantitative studies. International Journal of Management Reviews, 14(4), 391–407. https://doi.org/10.1111/j.1468-2370.2011.00322.x
  4. Kuoppala, Jaana MD, PhD; Lamminpää, Anne MD, PhD; Liira, Juha MD, PhD; Vainio, Harri MD, PhD Leadership, Job Well-Being, and Health Effects—A Systematic Review and a Meta-Analysis, Journal of Occupational and Environmental Medicine: August 2008 - Volume 50 - Issue 8 - p 904-915 https://doi.org/10.1097/JOM.0b013e31817e918d
  5. Grawitch, M. J., Gottschalk, M., & Munz, D. C. (2006). The path to a healthy workplace: A critical review linking healthy workplace practices, employee well-being, and organizational improvements. Consulting Psychology Journal: Practice and Research, 58(3), 129–147. https://doi.org/10.1037/1065-9293.58.3.129
  6. Faragher EB, Cass M, Cooper CLThe relationship between job satisfaction and health: a meta-analysisOccupational and Environmental Medicine 2005;62:105-112. http://dx.doi.org/10.1136/oem.2002.006734
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データ分析屋。 数学と科学をもって鋭い知性と病まない強靭な心を鍛えることを研究しています。 心を病まずに生きれる人を増やすことを目指しています。

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